第114記 鮨 野儀(八丁堀)

寿司

皆さんごきげんよう。脱サラおやじである。
今日は久しぶりに私のメンターと昼飯をご一緒する機会に恵まれた。
メンターはとてもグルメでおいしいお店をたくさん知っている方である。
そのメンターが「ここは絶対に行くべき」と太鼓判を押す鮨ランチ。

向かった先は八丁堀の名店「鮨野儀」である。
八丁堀といえばオフィス街のイメージが強いが、実は知る人ぞ知る実力派の鮨店が点在するエリア。
その中でも「鮨野儀」は、食通の間で“丁寧な仕事と端正な握り”で知られる人気店。

店主の誠実な仕事ぶりがにじみ出るような、静かで落ち着いた空間。
昼から背筋が伸びるような、そんな雰囲気である。
注文したのは昼のおまかせコース16品。
価格は税込12,000円。
さらに日本酒を一杯、1,200円。

昼から贅沢ではあるが、こういう背伸びこそ人生の潤いである。
コースは一品一品が美しく、どれも記憶に残る味わい。
正直、16品すべてを細かく覚えているわけではない。
しかし、どれを食べても「うまい」と唸るレベル。

鮨野儀の実力を存分に感じる時間であった。
ここからは、印象に残った品を中心に、鮨野儀らしさを補完しながら紹介していく。

最初に供されたのは、出汁が香る小鉢。
これから始まる鮨の旅路に向けて静かにスイッチが入る瞬間。
昼の鮨コースの幕開けにふさわしい清々しさ。

そこへ合わせた日本酒がまた良い。
透明感のある一杯で、米の旨味がすっと伸び、余韻は軽やか。
昼から飲む背徳感と幸福感の共存。

そして、鯛出汁のシンプルなお汁。このお店のレベルの高さをここでも感じさせてくれる。

最初のお鮨は大トロ。
脂が舌の上で溶けるように広がり、米と一体となって消えていく儚さ。
序盤から心を掴まれる圧巻の握り。

次に現れたのは光り物。
皮目の美しい銀色が目を引き、締め具合は絶妙。
酸味と旨味のバランスが見事で、江戸前の技が光る一貫。

白身の握りは、細かな飾り包丁が入った端正な姿。
噛むほどに旨味が滲み出て、淡い味わいの奥に潜む力強さ。
序盤の白身として理想的な存在感。

ここでホタルイカの料理が挟まる。
酸味があるソースが絡み、野菜の瑞々しさが心地よいアクセント。
鮨の流れの中に変化が生まれ、味覚がリフレッシュされる瞬間。

ガリの優しい甘酢が口の中を整え、次の握りへの準備が整う。
この店のガリは角がなく、実に上品。

刻んだ魚介を軽く和えた細工寿司が続く。
旨味が凝縮され、香りがふわりと広がる。
つまみと握りの中間のような楽しさ。

ここで再び日本酒1200円。
華やかなラベルの純米辛口で、キレのある飲み口。
脂の乗ったネタとの相性が抜群で、鮨の旨味をさらに引き立てる存在。

温かい煮魚の小鉢がほっとする。
ふっくらと火が入り、出汁の旨味がしみ込んだ優しい味わい。
鮨の合間に挟まる和食の安心感。

続いて焼き魚と青菜の小鉢。
香ばしさと青菜の爽やかさが寄り添い、脂の旨味と野菜の苦味が心地よいコントラスト。
料理の幅広さを感じる一皿。

鯵の握りは、おそらく熟成させたもので、しっとりとした食感で、旨味がしっかり乗る。
米とのバランスが良く、コース後半に向けて味わいが深まる流れ。

イカの握りは繊細な包丁が入った美しい姿。
ねっとりとした甘みがあり、噛むほどに旨味が広がる。
塩と柑橘の香りが引き立つ一貫。

刻んだホタテに軽いタレをまとわせた握りが続く。
甘みが強く、口の中でふわりとほどける優しい味わい。
癒しの一貫。

手巻きは香りの強い海苔に濃厚なネギトロ。
手で持った瞬間に伝わる温度感が心地よく、終盤にふさわしい満足感。

気づけば16品があっという間に終わり、満足感に包まれる。
量はしっかりあるが、重さを感じない。
素材の良さと丁寧な仕事があってこその軽やかさ。
これぞ本物の鮨である。

八丁堀で鮨といえば、夜は敷居が高い店も多い。
しかし鮨野儀のランチは、クオリティを考えれば非常に良心的。
この価格でこの内容は、正直“破格”と言っていい。
食べ終わった後の満足度が高く、また来たいと思わせる店である。

脱サラしてからというもの、時間の使い方が自由になった。
その中で、こうして昼から旨い鮨を食べる贅沢。
これこそサイドFIREの醍醐味である。
働き方を変えたからこそ味わえる、人生の豊かさ。

鮨野儀のランチは、ただ旨いだけではない。
丁寧な仕事、落ち着いた空間、心地よい時間。
すべてが揃った“体験”である。
メンターが大絶賛する理由がよく分かる。

最高のお鮨でリーズナブルなお店を探している方には、ぜひ一度訪れてほしい名店。
昼から最高の鮨を味わえる、贅沢なひととき。
鮨野儀、再訪確定である。

鮨 野儀 (八丁堀/寿司)
★★★☆☆3.27 ■【2025年オープン】大将の確かな目利きと技が織りなす鮨と、四季折々の和の逸品を味わう ■予算(夜):¥30,000~¥39,999

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