第121記 麺や ひだまり(千駄木)

らーめん

皆さんごきげんよう。脱サラおやじである。

千駄木のよみせ通りを歩いていると、ふと鼻をくすぐる出汁の香りに足を止めた瞬間があった。
店の名は「麺やひだまり」。2011年のオープン以来、地元民にも観光客にも愛され続ける人気店で、食べログでも高評価を維持する実力店であるという評判。谷中銀座からのアクセスも良く、週末には行列ができることも珍しくない人気ぶり。

そんな噂を耳にしていたこともあり、今回の放浪記の目的地に決めた次第。
暖簾をくぐると、木の温もりを感じる落ち着いた店内。カウンター中心のつくりで、ひとり客でも居心地の良い空間。BGMも控えめで、ラーメンに集中できる環境が整う店内。

券売機の前で迷うことなく「和塩らぁ麺」を選択。価格は950円。

店の看板メニューであり、口コミでも「塩の旨味が深い」「あっさりなのに満足感がある」と評判の一杯。期待が高まる瞬間。

ほどなくして着丼。まず目に飛び込んでくるのは、茶色がかったスープ。見た目は醤油のようだが、実は醤油を一切使用していないという意外性。
レンゲを口に運ぶと、まず広がるのはカツオ出汁の豊かな香り。塩のキレと魚介の旨味が重なり、あっさりながらもパンチのある味わい。体にじんわり染み渡るような優しさを感じるスープ。

麺は細めのストレート麺。スープとの絡みも良く、啜るたびに旨味が押し寄せるバランスの良さ。麺の太さとスープの相性が絶妙で、計算された一杯であることが伝わる構成。

そして特筆すべきはチャーシュー。炙り豚と低温調理のローストポークの2種類が乗る豪華仕様。
まず炙り豚は香ばしさが際立ち、箸で持つとホロホロと崩れる柔らかさ。脂の甘みと炙りの香りがスープと混ざり合い、至福の味わい。
ローストポークはしっとりとした食感で、肉本来の旨味をしっかり感じられる上品な仕上がり。異なるタイプのチャーシューが一杯の中で調和し、食べ進める楽しさを生む構成。

メンマは細めで柔らかく、味付けは控えめ。
スープの邪魔をせず、食感のアクセントとして機能する存在。薬味のネギも適量で、全体のバランスを整える役割を果たす配置。

一杯を通して感じたのは、スープ・麺・具材のバランスの良さ。どれかが突出するのではなく、全てが調和して一つの完成形を作り上げている印象。あっさり系のラーメンは物足りなさを感じることもあるが、この和塩らぁ麺は最後まで満足感が続く一杯。

食べ終えた後の余韻も心地よく、胃に重さが残らないのも嬉しいポイント。まさに「体にやさしいラーメン」という表現がしっくりくる一杯であった。

千駄木という下町情緒あふれる街並みと、ひだまりの温かみあるラーメン。放浪記としても記憶に残る訪問となった。次回は醤油らぁ麺やつけ麺も試してみたい気持ちが湧き上がる店である。

麺やひだまり (千駄木/ラーメン)
★★★☆☆3.63 ■予算(夜):~¥999

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