皆さんごきげんよう。脱サラおやじである。
今回の放浪先は日暮里。駅から少し歩いた路地にひっそりと佇む「めん処 羽鳥」。
生姜ラーメンで名を馳せる人気店である。
日曜日、昼時を外したが、行列を覚悟したが、運よく並ばずに入れた。
しかしながら店内はほぼ満席。
カウンター中心の小さな店ながら、回転は早い。
厨房から立ち上る湯気と生姜の香りが食欲を刺激する。
店主が黙々と麺を上げる姿が印象的な店構え。
注文したのは看板メニューの「しょうがらーめん醤油」1200円。

羽鳥といえば生姜。これを食べずして語れない一杯。
丼が目の前に置かれた瞬間、まず目に飛び込んでくるのは中央にこんもりと盛られた生姜。
粗めに刻まれた生姜が湯気とともに香り立つ。
スープの表面には鶏油が薄く広がり、黄金色の輝き。
まずは生姜を混ぜずにスープをひと口。
鶏ガラをベースにした清湯スープで、雑味がなく、旨味がしっかりと立った味わい。
醤油のキレと鶏のコクが絶妙に調和した上品な仕上がり。
飲み進めるほどに深みが増すスープ。
次に、生姜を少しだけスープに溶かしてみる。
これが一気に別物になる。
生姜の爽やかな辛味と香りがスープに広がり、先ほどまでのコク深い味わいが一転、軽やかでキレのある一杯へと変貌。
この“味変”こそ羽鳥の真骨頂。
生姜の量で味の表情が変わる楽しさ。
麺は中細のストレート。
スープとの絡みがよく、啜るたびに生姜の香りが鼻を抜ける。
茹で加減はやや固めで、最後までダレない力強さ。
スープの旨味をしっかりと持ち上げる麺。
チャーシューはトロトロの仕上がり。
箸で持ち上げるとほろりと崩れる柔らかさ。
脂身はしつこくなく、赤身部分はしっとりとした食感。
生姜の効いたスープと合わせると、脂の甘みが際立つ絶妙なバランス。
メンマは小ぶりながら丁寧な味付け。
コリッとした歯応えが心地よく、スープの邪魔をしない控えめな存在感。
この“脇役の仕事ぶり”がまた良い。
羽鳥のラーメンは、生姜を主役に据えながらも、スープ・麺・具材のバランスが見事に整った一杯。
ただ生姜をのせただけではない、計算された構成。
生姜の香りと鶏の旨味が織りなす唯一無二の世界観。
日暮里という街の雑多な空気の中で、ふと立ち寄りたくなる店。
身体が温まり、気持ちも軽くなるラーメン。
脱サラおやじの放浪にまた一つ、良い店が加わった次第。




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